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アホでも分かる藍染講座④

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【藍染の通販・販売 天然藍染工房ブルーワークス】
染場からお客様へ!オーガニックコットンを藍染した藍染製品の専門店です。
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ご無沙汰しております。
桜も散り、雪が降りましたね。うん。おかしいですね。

これは… 農作物を生業にしている人はきっと困るんじゃないでしょうか?

本日④時間目は最初のインジコ 【すくも】 についてですが
すくも作りも丁度今頃に種を蒔きますので心配ですね。

さてさて。何度も言いますが藍染とは

葉に含まれる色素インジカンを様々な化学変化を経て
最終的に糸・布に色素インジコという状態で安定させる。

ということです。
実はこの葉に含まれる色素インジカンは水に溶けます。

水に溶ける…??

…ってことは染められるじゃん!!

そうなんですよ。溶けるんです染まるんです!!

この特性を生かしたのがご存知、藍の生葉染めです。
葉と布をゴシゴシ揉んだり、葉を水に浸して色素が溶け出した時に染色します。
最も原始的で藍染のルーツはこの生葉染めと考えられます。
お客様と話していると、藍の生葉染めをしたことがある人が結構いるのに驚きます。

この藍の生葉染め、私にとってかなり可能性を秘めた染色法ではないかと興味深深です。
なぜなら絹やウール系の動物性繊維の素材を痛めず、堅牢で薄い色を出せると思うからです。

カシミヤ、アルパカ、ウール、正絹。動物性の繊維を堅牢で薄く光沢のある水色に染める。
これこそが多くの紺屋の目標なのではないだろうか?
(この辺の話は長くなりそうなので別の機会に書かせて頂きます。)

でもね…。
前述したように葉に含まれる色素は、ほんのチョビットのハナクソヤローなんですよ。
しかも葉が茂っている時期、その場でしか染色できない上、濃い色は出せないときたもんだ。

ハナクソ程の色素じゃ仕事になんねぇーよ!!

って先人が言ったかどうか知りませんが、多分仕事にならなかったんでしょうね。はい。
だからね。沢山の葉をギュ~…っと濃縮できねぇかと知恵を絞ったんですね。
ここがスゴイ所ですね。化学変化や菌という概念がない時代に経験と勘で
なんなく乗り越えるわけですから。

葉を刈ると水溶性の色素インジカンは酵素の働きで見る見る不溶性のインジコに変わります。
乾燥した葉は真っ青になり、この時点で不溶性のインジコですから染色できません。
一旦インジコに安定してしまえば、建てて(還元して)いつでも染色できますし
何より出荷できるのです。

しかしそのままでは大変な量の乾燥葉ですので、約100日間醗酵させ堆肥状に
ギュ~…と濃縮させます。そうして出来上がったもの。
つまり、タデの乾燥葉を堆肥状にしたものを 【すくも】 といいます。

言い換えれば 【すくも】 とは少ない色素をギュ~…と濃縮させて、
いつでもどこでも染色できる状態にした堆肥状のタデの葉ということです。
アホでも分かる藍染講座④_c0182784_1436626.jpg

【藍を切り返し醗酵させる播磨藍・村井さん】
※私がお世話になっている藍師さんですが、染色α2005.6の掲載写真ですので
 問題があれば削除いたします。

約一年を費やして栽培から醗酵、そして 【すくも】 までの工程を製藍といい
製藍を生業にする人を藍師 (あいし) といいます。

基本的に藍師が 【すくも】 を作り紺屋が染色するという分業なのです。

この 【すくも】 の製藍技術と醗酵建ての技術があれば、いつでもどこでも
藍染ができるようになったのです。

そして時は江戸中期。各藩の奨励もあり木綿が爆発的に庶民に浸透してゆきます。
綿や麻等の植物性繊維と醗酵建ての藍は、堅牢性も染色条件も相性がとてもよっかのです。
(他の草木染めは絹やウール等の動物性の繊維と相性が良い。)

木綿の普及製藍技術醗酵建技術、この3つが見事に噛み合った事によって
Jaan Blueと言われる程に日本人の日常生活にとって、不可欠な染め物となっていったのです。


江戸時代。

それは藍染のみならず染織工芸、いや全ての伝統工芸が切磋琢磨し絶頂を迎えた時代でした。
まさに手仕事の黄金時代と言えるではないでしょうか。

※独学ですので、間違った表現や訂正すべき箇所はご連絡下さい。

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by blueworksjonnobi | 2010-04-18 15:08 | 藍染の話


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